88歳の母の『形見』

私の母は今年88歳になります。

先月、乳癌が発見されました。

詳しい検査の結果、さらに肺がんも。

抗がん剤治療を始めています。

 

幸い大きな副作用はないようで、様子を見ながら抗がん剤の投与が進んでいます。

 

 

高齢になってからの「がん」

 

 

80代90代になって「がん」が発見されることも多いですね。

その場合、どんな治療がいいのか?

手術などはしないほうがいいのではないか。

と漠然と思っていました。

 

しかし、ネットでそういう相談への回答を見ると、普通に生活できる程度の体力があれば手術した方が良い、という答えが多いです。

これはお医者さんの答えなのですが、比較的初期の発見であれば、手術するほうが予後も良く、再発の恐れも少ない、と。

 

結果、長く元気で過ごせる可能性が大きくなる、というのです。

 

これは難しいところですね。

 

高齢になってからの入院そのものが認知症につながったり、足腰の弱りになったりして、元のようには戻らないのではないか、という心配もありますし。

 

そもそもがんであっても手術は受けるな、というお医者さんもいますから。

 

母の場合、ひとまず抗がん剤ということで、がんが小さくなるかどうかみて、その結果次第では手術になる可能性もあるようです。

 

そんな状態の母から小包が届きました。

 

 

『形見』に、と言われても

 

 

中には手紙とアクセサリーが。

指輪やネックレスなどです。

 

もう使うこともないだろうから、送っておきます、大事に使ってね、と書かれています。

 

これは・・・正直ちょっと参ります。

 

おそらく、このアクセサリーばかりでなく、いろいろと整理しているのだろうと想像できるからです。

 

自分のことであれば、今からでもいろいろ整理しておくほうがいいだろうなあと考えますが、母がそういうことを始めているのか、と思うと、寂しさというのか、悲しみというよりは、いつか来る別れが思われて、なんともいえない気持ちになります。

 

いつか、それは分からないけれども、間違いなく「別れ」はやってくる、という現実がある、という認識。

私が先になる可能性もあるわけですが、どちらにしても「別れ」は来るのです。

それは、若い頃の漠然とした想像とは違って現実です。

 

だから、これからどういうように過ごそうか、と考えています。

 

 

母の生活

 

 

 

母は父が亡くなってから、17年、一人暮らしをしています。

好きなお琴を習い、友達と旅行に行き、気ままに暮らしてきました。

 

弟が離婚して実家に帰ってきてからは、(実家はいずれ弟夫婦と住めるように二世帯住宅に改築していたのです)母が食事の世話をしています。

 

80歳を超えてからのここ数年は、もっぱら弟の世話のために、買い物に行き、料理をして、気力も充実、主治医からは「息子さんのおかげですね」と言われるくらい元気でした。

 

今でもその生活は変わりません。

 

病院には弟が付き添って行き、普段の生活は今まで通りにしています。

 

母は、そのように過ごせることについて弟に感謝しています。

また、母のためにはそれでいいのだろうと私も思っています。

弟の今後は多少心配ですけれど。

 

母には、張りのある毎日を過ごしてもらいたいとと思っています。

 

高齢の母に世話をしてもらう弟を困ったものだと思ってきましたが、母にとっては良かったのでしょうね。

 

改めて「母」というのは有難いものだと思いました。

 

自分も母親ではありますが、さて、母の年代になる頃には、どんなふうにしているのでしょう?

 

自分なりに納得できる日々が過ごせているでしょうか?

 

こればかりは、わかりませんね。

 

 




 

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