細雪 四姉妹の物語

谷崎潤一郎「細雪」は随分昔に読んだのですが、急に読み返してみたくなりました。

なにがきっかけか、よくわかりませんが。

そうそう、四姉妹の名前を思い出そうとしていたのです。

鶴子、幸子、雪子、妙子でしたね。

 

 

 

 

 

水害、板垣、御牧・・・・

 

「細雪」といえば、夙川の水害の描写。

または「板垣」の死のシーン。

または、雪子の見合い相手「御牧」子爵の庶子。

まあいろいろな場面があるわけですが。

最初に読んだのは多分高校生の頃。

このころは「乱読」でしたから、とにかくなんでも読んでいましたね。

谷崎の作品は「春琴抄」「痴人の愛」「少年」・・・・、
そういうものを読んでいて、「細雪」はその中では退屈でした。

それでも、冒頭の花見のシーンや、水害、ホタル狩りなどの場面は印象的でした。

 

また、雪子と妙子の対照的な身の処し方はもちろん記憶に残っています。

 

ただ、今読み返してみると、雪子の見合い、といういかにも旧家のしきたりを通して、非常に上質な家庭小説というのか、確かにこんなふうだった、と納得できる作品だと思います。

 

時代設定は古くても、姉妹の心情は変わりませんし、雪子の結婚が決まって、一応の結末に至るところで終わる、時代がまだ急激に変化する前のところで止まっている作品として、日本のこの時代をよく表していると思います。

 

などということよりも、単純に「読む」ことが楽しい作品だ、と気づいたのでした。

 

乱れのない日本語を読む楽しさ、ちゃんと味わえる日本語の文章、というのでしょうか。

年齢のせいかもしれませんが、美しい文章だなあ、と改めて感じたのでした。

 

最近はいわゆる「エンタメ」小説ばかり読んでいて、文章よりも、ストーリーにばかり気がいってしまっていることをちょっと反省しました。

 

 

と言いつつ「本」を整理したいこのごろ

 

電子書籍がいいなあと思うのですが最近は所持したいと思う本があまりありません。

楽しんで読むものはたくさんあって、その時間は満足ですが読後は持っている必要を感じません。

できるだけモノを増やしたくない、ということもあります。

本、服、バッグなど整理したいものはたくさんあります。

いいものだけを残してシンプルに、というのが希望なのに、なかなかモノが減らせない。

少しづつなんとかしてゆくしかありませんね。

 



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