今年2018年の「大河」ドラマは「せごどん」
西郷さんの話ですね。
原作は林真理子さん。
大河ドラマは好きなのですが、このところけっこう違和感があります。
それはなぜだろう?と思うのですが、どうやら司馬遼太郎さんの影響かもしれないなと感じています。
『司馬史観』?
こういう言い方があったような・・・・。
司馬さんの歴史小説を夢中になって読んでいたので、これが正しい歴史、という思い込みがあるのかもしれません。
戦国時代と明治維新。
この変動の時代を描いた司馬作品はとても魅力的でした。
ですから、「大河」での三谷さんの「新撰組」には違和感がありましたし、「真田丸」は、これはこれで楽しんだものの変則時代劇という印象でした。
「翔ぶが如く」は明治維新後、『征韓論」をめぐる明治政府内の対立から始まっています。
大久保と西郷の考え方、またその配下の川路・桐野という片や「大警視」として警察組織を作った男と、かつては「人斬り」と言われ、「薩摩士族」として生きることを選んだ男との、生き方の相違、もちろん、そこには、若い頃からのさまざまな事柄が絡んでいるわけですが、登場するのはすでに
明治政府の高官となった西郷と大久保、それを取り巻く人々です。
おそらくこの「政争」はドラマにはなりにくく、かつてのNHKの大河ドラマ「翔ぶが如く」は西郷・大久保の青年時代から描いていたように記憶しています。
このとき大久保を演じたのは、確か鹿賀丈史で、(西郷は西田敏行)非常に好印象だったと思っています。
今回の「せごどん」はまだ原作を読んでいないので、なんとも言えませんが、司馬遼太郎の世界とは当然ながら違っていると思います。
そこを楽しめるかどうか、まず読んでみたいと思います。
・・・で言いたかったのは、歴史の見方は、司馬的視点だけではない、ということです。
歴史を描く小説は、今もなお、面白く、十分に楽しませてくれます。
ただ、織田信長、坂本龍馬、吉田松陰、高杉晋作、土方歳三、といった面々には、司馬作品のイメージがやはり強くて、そこに描かれた彼らの魅力を上回るものがない、と感じる現状があります。
そう言う意味では、「史観」に関係なく、小説として最高に面白いものを残した司馬遼太郎がすごかった、ということなのでしょう。
「歴史ドラマ」としての魅力
大河ドラマが面白くない、というのは、脚本による、というよりも、かつての「大河」ファンが離れてしまった、もしくはもはや存在していないからではないでしょうか?
時代劇には時代劇の形があり、面白さは一種の「重厚さ」を背景にしていたように思います。
今は、衣装や時代が違うだけで、役者はテレビの人気タレント。
普通のドラマとあまり変わりません。
一年間という長丁場も、ドラマを面白くないものにしていると思います。
もはや、昔のような大河ドラマは作れない、という前提で、ドラマを楽しむべきなのでしょうね。
「せごどん」まずは見てみようと思います。