90歳前後になると入院のリスクが増えます。
体調の悪化、思わぬ怪我など。
しかし、本当の「入院のリスク」はむしろ「入院後」にあります。
たいていの場合、入院以前よりも生活の状態が悪化してしまうのです。
筋肉の減少と歩行困難と認知症
高齢者が入院すると筋肉の量が1週間で20%減るといわれています。
病院でも、入院当初は動けない患者にオムツを使用したり、尿道にカテーテルを入れて、トイレまで歩くこともできない状態にしてしまいます。
その後状態が安定すれはリハビリに入りますが、衰えた筋肉はなかなか回復しません。
さらに、日常生活の張りが失われることから、認知症を誘発します。
動けない状態であっても、話しかける、話し相手になることが必要です。
できれば、不意の入院に備えて近隣の病院を調べていおくとよいでしょう。
まず、リハビリのスタッフの充実した病院を、かかりつけの医師に確認しておくと良いですね。
病院の力はコミュニケーション力
これは高齢者が患者の時に限らず、常に必要ですが、高齢者にとっては特に大切です。
耳が遠かったり、理解が遅いこともあるでしょう。
それでも、話しかけ、相手がわかるまで説明することが病院への信頼を作ります。
ドクターも介護士も、高齢者を侮っているように見えることが多いです。
説明しても無駄、時間がかかるだけで面倒。
といった介護士の対応が見えると、家族にとっても病院への不満や不信が増すことになります。
信頼感がなければ、治療も介護もリハビリもうまくいきません。
高齢者が以前の状態と変わらずに帰宅できて、初めて、良い病院だったと言えるのではないでしょうか?
たいていの場合、介護度が進んだ状態での退院となってしまうのはとても残念です。
退院後の生活
これはまず介護認定の申請から始まります。
たとえば「要支援」だった人は「要介護」に段階があがるかもしれません。
ケアマネージャーと相談して、どんな生活環境が必要かを決めていきます。
自宅での生活が可能か。改築が必要か。介護ヘルパーさんにどの程度きてもらうか。
家族には何ができて、何ができないのか。
自宅ではなく施設を探すのであれば、どんなところがいいのか?
予算や希望の場所など。
本人と家族、ケアマネージャーで話し合って、納得の上で今後の生活の骨子を決めます。
高齢者本人の要望に沿った暮らしができれば一番よいのですが、それは高齢者が自立できていればこそ。
自分の身に置き換えてみれば、とにかく健康寿命を伸ばすこと、これに尽きます。
怪我に負けず、病気に負けず、身体を鍛えて頑張る!
言ってみれば「アスリート」の気持ちで、節制してやっていくしかない!と思いますね。
人生、楽じゃない、ということです。
楽じゃないけれど、楽しみながらやっていきましょう!!