高齢社会と言い、人生100年と言いながら、思うのは、言葉に追いついていない現実です。
たとえば、運動をしなさい、といいますが、加齢につれて、やって良い運動といけない運動がある。
サプリメントにしても、ある年を超えたら、飲まない方がいいものもある。
薬もそうですね。
血圧を下げる薬や、抗血液凝固剤は、一生飲めば良いと言われていましたが、実は年齢によって副作用が出てきたり、もう飲まない方が良い、となったりする。
こういう変化変更は、たくさんあって、ちょっと前の常識が、どんどん変わってきています。
それだけ高齢者の問題が後回しにされてきた、ということなのでしょう。
概要
たくさんの薬の服用は、どんな副作用を引き起こすか分からない
大体、高齢者は何種類もの薬を飲んでいます。
4種類以上の薬の併用がどんな副作用を身体に及ぼすのか、まだよくわかっていないのです。
副作用についての、はっきりしたエビデンスが無いのですね。
それなのに、医師が出す薬は増えてゆくのです。
それはとても危険なことです。
同様に、例えば、抗がん剤の使用について、ガンの手術について、効果が出る年齢と、あまり効果が期待できない年齢がある、ということ。
これも、明らかな指針が無くて、現実は医師に言われるがまま、ということが多いのではないでしょうか?
老後資金について
3000万円必要だとか、5000万円だとか、老後資金てそんなに掛かるのでしょうか?
80歳を超えたとき、身体の具合によって、どこかの施設に入りたい、となったらどんな施設が利用可能で、費用はどのくらいなのか?
介護保険や、その他保険によって入院費などはどのくらい軽減できるのか?
そのあたりの明確な資料も多くはありません。
健康維持のための運動について
スクワットは高齢者には危険?
ふくらはぎを揉むのは、年齢によっては逆効果?
場合によっては股関節を痛める運動もあるとか。
ただ運動をすれば良い、というものでも無いようです。
結局、高齢者は増え続けてゆくのに、医療や効果的な運動、サプリの利用についても、はっきりした年齢による目安が追いついていないのですね。
高齢者相手のビジネスは拡大
そんな状態なので、高齢者はおそらくどの世代よりも貯蓄を持っています。
ですから、高齢者相手の寝具や健康食品、アンチエイジング化粧品、運動靴、杖や歩行器など、商品は増えるばかりです。
詐欺もあります。
家の修理、補修についての詐欺、いわゆるオレオレ詐偽など。
さらに次から次へと出てくる高齢者向けのサプリメント。
これもどの程度の効果が期待できるのかよくわかっていません。
それでも売れますから、「高齢者層」は企業にとっては素晴らしいターゲットです。
新商品が次々に出てきます。
「グルコサミン」の次は何?という感じ。
100年人生を締めくくる住まいは?
最近は空き家の増加で、賃貸マンションなどが入居し易くなっているとか。
政府は在宅での介護や、終末医療を勧めているようなので、施設よりも在宅で過ごすことを考える方が現実的かもしれません。
できるなら、人生100年の終末期には、思い惑うことなく、穏やかに過ごしたいものですし、その為にはもっと正確な情報が共有できるようになる必要があるでしょう。
せめて老後は安らかに暮らしたい。
そんなささやかな願いが叶うような社会であって欲しいと願っています。
まとめ
長生きのリスクは、なんと言っても、経済的な不安でしょう。
その為に、貯蓄を抱えて節約しながら生活する、というのはなんだか幸せとは言えない気がしています。
健康寿命は実際の寿命よりは短いのです。
健康なうちに、旅行に行ったり、美味しいものを食べたり、友人とおしゃべりしたり。
楽しめる時に楽しみたいものです。
もちろん、できれば最後まで人さまのお世話にならずに。
その為にも、何が良くて何が良くないのか、判断できる明確な基準が欲しいです。
自分の人生は、自分で考えたい。
終末をどう過ごすか、そこを見据えてこそ、人生100年に意味があるのではないでしょうか?