一人暮らしの知人は生涯賃貸住宅でよい、と言っています。
が、こんな記事を見つけました。
高齢者になって持ち家がないとどうなる?「一生賃貸派」の残酷な末路
高齢者は賃貸住宅に入居しずらい、というのは聞いていました。
しかし、高齢者の増加と空き家の増加に伴い、住宅状況は変化して、むしろ高齢者が暮らしやすくなってゆくと思っていたのです。
将来のことはわかりませんが、すくなくとも現状は厳しそうです。
「家賃保証」の問題
昔は入居に際して、連帯保証人が必要でしたが、今はほとんどが「家賃保証会社」になっています。
家賃の滞納に対して立て替え払いをしてくれるのですが、その審査に単身高齢者は通りにくいそうです。
記事には、こんな風に書かれています。
『直接的理由としては、リタイア世代は現役世代に比べて年収が低いということがある。家賃保証会社は一定以上の収入がある人に対してはおおらかだが、所得が低い人に対してはきわめてシビアなのだ。
銀行預金の残高証明書など、それなりの資産があることを証拠として見せたとしても難しく、相続税を支払うほど資産がある人でさえ保証を断られてしまう。』
連帯保証人は、「現役で働いている人」になりますが、単身では子供がなく、保証人を立てるのは難しくなります。
住宅セーフティーネットの実情
高齢単身者の賃貸住宅入居や、孤独死などの問題に対応するべく、「住居セーフティーネット」が整備されようとしていますが、なかなか進まないようです。
現在は『UR(独立行政法人都市再生機構)』の賃貸住宅がその役目を担っています。
ただ、次のような問題が指摘されています。
『URは民間と異なり国籍不問、職業不問で入居させてくれる。保証人、礼金、仲介手数料、更新料の「4つの『なし』」を売り物にしており、入居審査も比較的緩い。
誰でも入りやすい分、URには低収入の住民が多い。外国人や夜に働いている人も多く、治安や住環境はよいとは言えない。
またURの場合、もともと家族向けの団地だった物件が多く、平均して面積が大きく、その分、家賃もそこそこ高く設定されている。それほど面積を必要としない単身者にとっては割高感がある。』
私の住む市にもURがありますが、急激に外国人住民が増えて、「UR」への一般市民の認識は相当悪化しています。
すなわち、治安が悪い、外国人工場労働者が多い、などなど。
なまじ「高級住宅地」などのイメージがあるために、余計に一部埋め立て地にあるURへの偏見が強いといえるでしょう。
プアな賃貸住宅でいいのか?
一方で、「生活保護受給者」に対応した住宅もあります。
が、「住宅扶助」額の範囲内に家賃が抑えられているので、かなりプアな住宅になってしまいます。
生活保護を受けている人は優先的に入れるようですが、そうでない人も入居できます。
しかし、現役時代とは、かなり住居のグレードが下がってしまうでしょう。
定年後もある程度の収入があるのに、住環境が満たされないというのは、問題ですし、悲しいことです。
実家に戻れるか?
おそらく親世代の住宅はまだ残っているケースが多いでしょう。
となると、選択肢としては、実家にもどる、ということになるのか、と思います。
実際、親の介護にために実家に戻る人もいます。
もっと高齢になって一人暮らしができなくなったら、有料老人ホーム、もしくは、特養、を考えなけばならなくなります。
特養は希望者が多く、順番待ちがたくさんで、容易には入れません。
有料老人ホームは一時金のほか、月々の費用もかかりますから、誰もが入れるわけではありません。
高齢者の今後の住環境は、国のシステムがどのくらいの速さで整備できるかにかかってくるのでしょう。
まとめ
賃貸住宅の場合だけでなく、いわゆる「老後」の費用については、さまざまな試算があります。
私のかなり年上の知人は、一人暮らしでしたが、ある老人ホームで亡くなりました。
そこは特養ではありませんでしたが、さほど高額でなく、費用はそれほど掛らなかったと聞きました。
入院費用にしても、高齢者の場合、そう高額にはなりません。
ですから、あまり悲観的にならなくてもいいのでは?とも思っています。
できれば仕事を続け、貯蓄の取り崩しではなく、収入の範囲で生活ができればなんとかなる!
そういう気持ちでやっていくだけ、とも思います。
くよくよしても仕方のないことは放っておいて、まだまだ今後の夢と目標をもって生きてゆく。
自分でできることは限られていますから、それを精一杯やるだけです。
目標をもって、健康で元気な「高齢者」になりましょう!