高齢者を対象にしたデイサービスを見てきました。
いわゆる「見学」というのではなく、知人が社長をしている会社のデイサービスとはどんなものなのか、実態を知りたいと思い、見せてもらうことにしたのです。
関西の高級住宅地として有名な場所にあるデイサービス施設を訪ねました。
デイサービスの一日・利用者の目線で
私の友人のお父様は週に3回デイサービスに通っています。
友人にとってはとても有難い時間になっているそうです。
家族にとっては高齢者の世話から一時解放される時間ですから、必要な時間ですね。
また、高齢者本人にとっても、会話ができる場所、体操ができる場所、入浴ができる場所という必要な場になるのです。
ですからデイサービスセンターというのか、そういう場所はあちこちにできています。
そして「入浴」ができるのが一番の魅力のようです。
「会話」については、集まるメンバーが比較的に介護度が低い人なら成り立つようですが、重度の介護状態ですとほとんど不可能です。
囲碁の好きな方は嬉々として楽しんでいらっしゃいますし、お相手がやってくるのを心待ちにしていらっしゃるようです。
車椅子やステッキが必要な方にとっては、ふだんできない運動ができますし、マッサージの先生がいらして、凝った身体をほぐしてもらこともできます。
デイサービスの一日
だいたい専用の車で各家庭に送迎サービスがあります。
施設によっても違うでしょうが、朝9時半ごろから16時ごろまでが標準のようです。
朝、施設に着くと、まず血圧、熱、体調のチェック。
手洗い、うがいをして、熱いお茶を一杯。
午前中に順番に入浴。
12時に昼食。
15時におやつ。
その間に、軽い運動やマッサージ、昼寝など。
16時に送迎の車で帰宅、というスケジュール。
介護度が重い人が多いところと、軽度な人が多いところと両方見せてもらいましたが、経営母体が同じなので、スケジュールはほぼ同じでした。
ただ、重度の人が多いところは、利用者同士の会話はほとんどなく、テレビを見る、横になっている、椅子に座ってじっとしている、というふうで、ヘルパーさんの声だけが聞こえていました。
入浴と食事
やはり介護度によってヘルパーさんの大変さが違います。
ある程度自分で服の着脱ができる人であれば、入浴のお手伝い程度でいいのでしょうが、そうでない人の場合は本当に大変です。
特に男性で自分では立てない人ですと、まずオムツをしています。
服の脱衣だけでも女性のヘルパーさんは大変です。
二人がかりで、一人が身体を支え、ひとりが服を脱がせます。車椅子から入浴用の椅子に移動します。
この移動中におしっこやウンチをしてしまう人もいるそうです。
入浴後は、またオムツから下着、服を着せて濡れた髪を乾かし、ようやくひとり入浴完了です。
この日はそういう男性が4人もいて、そのうち3人は口がきけません。
家では、ほとんど入浴はできないので、ここでの入浴が楽しみらしく、ヘルパーさんも一生懸命です。
食事は普通食が無理な人は流動食になります。
自分では食べられない人には食事の介護が必要です。
けっこう時間がかかります。
施設
おおきなテーブルが6つくらい。
椅子はゆとりを持って置かれています。
車椅子が入ることもありますから。
ベッドが様々な場所に3つ。
全体にゆったりとしたスペースです。
脱衣所、お風呂も十分広いです。
トイレも3つあって、ひとつは車椅子用です。
奥に、キッチンがあって、ここで食事やお茶の用意をします。
食材は毎日届けられ、それを再加熱して使うようです。
毎回デザートがあり、3時のおやつもあります。
もちろん冷暖房完備。
窓が大きくて明るいです。
大きなテレビもあります。
この日は利用者の人が7人。
男性4人女性3人でした。
ここは重度の方が多いこともあり、ヘルパーさんが不足気味で困っているとお聞きしました。
確かに目を離すと勝手に出ていってしまう人もいて、これは大変、と思いました。
まとめ
デイサービスは利用者にとっては有難い場所だと思います。
ここでしか着替えをさせてもらえない人もいる、と聞きました。
しかし、働くヘルパーさんにとっては、特に重度の人の世話は大変です。それだけに、交代制でないと無理が出てきますし、十分な人数はなかなか確保できないらしいです。
ここを利用している人は、おそらく比較的に恵まれた方ではないか、と思います。
それでも、身体が不自由になれは、家族だけでは世話が難しくなります。
本人にとっても家族にとっても、必要な場所です。
そのことは良くわかりました。
・・・・・しかし、年齢を重ねるということが,こういう場所に行き着くことであるなら、ちょっと悲しいというのが本音です。
幸いなことに、私の母も義理の母もまだまだ元気です。
二人とももう90歳です。
将来のことは分かりませんが、できるだけ元気で、健康に過ごしたい、と改めて思いました。